
扉をあけたらvol.3『不調だらけの私でも』(松井里奈)
ジャンクフード好き、お風呂が苦手で、不調だらけ。
健康意識ゼロだった彼女が∴chimugusuiで体感した大きな変容とは。受講生の松井里奈さんにお話を伺いました。
写真と文/七緒(@naotadachi)
あらゆる不調に無自覚だった私が変われた
たとえば精油やハーブでセルフケアすることを、ハードル高く感じる人もいるかもしれません。かつての私も「そんなに意識が高いわけじゃないし…」と一線を引いていました。
でもどんな暮らしにも美しさがあり、それぞれが懸命に今を生きている。植物療法は特別なことではなく、ましてや意識が高い人のものでもなく、混沌とした時代を自分らしく楽に生きていく術。
「∴chimugusuiの植物療法スクールを受講して、数え切れないほど変わりました。寿命をもらったと思っています」
受講生の松井里奈さんはまさに「セルフケアは自分とは関係ない」と長年思っていたそう。もともとジャンクフードやお菓子が大好き。若くして3人を出産し、当時は県営住宅で暮らしながらシングルマザーとして全力投球の日々。
出産後、胆嚢全摘、腎盂腎炎、子宮筋腫など、あらゆる不調に見舞われましたが、からだの声に耳を傾ける余裕もなく、持ち前のバイタリティで突き進んできました。
「不調はありましたが、基本元気だし、生きてればどうにでもなるでしょ!ってマインドでした。しんどいという感覚を抱いたことすらなかったです」
そんな彼女をガラッと変えたのが∴chimugusui。ある日Instagramに流れてきた美しい写真。どうしようもなく惹かれた里奈さんは、すぐさま本屋に駆け込み、七重さんの一冊目の著書『ゆるめる・温める・巡らせる』を購入、読破。
突き動かされるように受講を決めたというから驚きです。
「なぜかわからないけど、絶対必要だと思いました。当時の私は健康意識ゼロどころかマイナス。寝起きに氷水を飲み、冬も裸足、時間もお金ももったいないからシャワー。からだが痛い・重い・しんどいのがデフォルト。それが私なんだと諦めていました」
初めて知った、ほどける心地よさ
早速、初級のBasic Classから学びはじめた里奈さん。そこで感じたことはシンプルで本質的なもの。温めるって心地よい、心地よいってうれしい。
「1回目の実習でハーブの蒸気吸入と手浴をしたとき、すっごく感動したんです。手を温めるってこんなに気持ちいいの!って。体がほぐれる心地よさを、人生で初めて知りました」
心地よいことを自分に施し、呼吸が深まり、ゆるんでいく。すると何か成し遂げたからではなく、ただ在るだけで安心感を得られるようになる。∴chimugusuiで出会う心地よさは、そういうもの。
「楽になった実感があったから、健やかさの扉が少しずつ開いていきました。今まで冷たいものしか飲まなかったけど、あたたかいものだとからだにやさしくできるんだ、お風呂に浸かるとぐっすり眠れて楽とか」
セルフケアを重ねるうちに、酷使してきたからだに変化が訪れます。生理痛の鎮痛薬を手放せるようになり、卵巣の腫れや腰の痛みもおさまっていきました。
「だけど心地よさと同時に、今まで無自覚だったしんどさがわかるようになったんです。はじめは戸惑いましたが、不調の兆しを感じたらすぐ休めるように。病気に至ることも減りました」
快を知るほどに不快という感覚も研ぎ澄まされていく。それは健やかなからだへ向かう大切なプロセス。
「あのまま、しんどさに気づかず突き進んでいたら、長生きできなかった。だから∴chimugusuiに寿命をもらったと思うんです」
どんな自分も受け止めてもらえる安堵感
「でもね」
里奈さんは続けます。
「私、ぜんぜん優等生じゃなかった。お菓子もアイスも食べるし、ハーブティを飲まない日もある。七重先生はそんな私を受け止めてくれた。それが本当にうれしかったの」
初級のBasic Class、中級のBody & Mind Classと続けて受講した里奈さんは、上級のAdvanced Classも受けることを決めます。
「普通はもっと志の高い人が受けるのかもしれないけど、最後まで学ばなきゃと直感で思いました。それが植物の力なのかな。ハーブや精油がからだに届いて、本心に素直になって、学びたい!って」
Advanced Classは半年間、自分やクライアントの心身と向き合い、植物療法の学びを深めていくプログラム。月に一度、ともに学ぶ受講生と変化や葛藤を分かちあいながら、代表の七重さんともコミュニケーションを重ねていく…。
初回に感じたのは「場違いかも?」というそわそわ感。それが安堵に変わったのは七重さんの自然な在りようでした。
「私なんかが紛れ込んで大丈夫?と不安でした。仕事に活かす予定もないし、他の方はすでにちゃんとできている気がして…。でも七重先生の包容力にふれるうちに、こんな私でも植物療法を学んでいい、むしろもっと学びたいって思えたの」
「それはありのままを受け止めてもらえたから。お菓子を食べる日があっていい、その上で具沢山のお味噌汁を飲んだら楽になるよ、と教えてくれた。暮らしに添ったアドバイスだから実践できて、自信につながった」
完璧は目指さない。受講生の今がどうであれ、∴chimugusuiは受け止めてくれる。一人ひとりのペースで健やかになればいいから、と七重さんは話します。
「私もコンビニ食時代があったし、里奈さんは3人育てて働いて…そりゃお菓子で息抜きもしたくなるよね。だけど不調も事実だから、できるセルフケアをやって楽になればOK。健康優等生をつくることが目的じゃないから」
∴chimugusuiに命をもらった
∴chimugusuiで学びを深め、からだの声に耳を傾け、心地よい方へ進んでいく。その積み重ねで不調がやわらいだ里奈さんは、生き方も変容していきました。
一番大きな変容は、仕事の傍ら、幼い頃から好きだった写真を再開し、アーティスト活動をはじめたこと。
「受講したことで心身が楽になり、写真をはじめようと思えたんです。あとね、幼い頃からパワフルだけど、光は苦手で陰が落ち着くタイプ。でも∴chimugusuiでセロ活を教えてもらったことで、太陽を浴びる心地よさをはじめて知って」
「屋号を”hikari”にしたのは、その体験がインスピレーションの一つになったから。がむしゃらに進んだわけじゃなく、導かれるように流れに乗ったら今につながっていた。不思議だけど、必然だったとも思う」
心地よさをたよりに進むと、人生がその人らしく調和していく。それはvol.1で七重さんが語った奇跡とイコールです。
「∴chimugusuiは学びの場だけど、それにとどまらなくて。人生が変わるきっかけをいただきました。あとAdvanced受講中、子宮頸がんの前段階である異形成が軽度になったんです。本当に命をもらったと思う」
「だから”そんな丁寧な暮らしできないよ”って、一線を引いている人にこそ受講してほしい。∴chimugusuiは誰にでもひらかれている。楽になるよ、うれしいこといっぱい起きるよ。こんな私にも、できたから」
⚫︎プロフィール
松井里奈写真家として名古屋を拠点に活動。屋号「hikari」を掲げながら、自身がまなざす美を表現している。2024年には個展「流-ru-」を開催。∴chimugusuiは2022年から受講。
Instagram:@hikari_rina_
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